【ベース】弦のゲージ(太さ)やテンションと音作り

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今回はベース弦のゲージ(太さ)やテンションによって、音色がどのように変化するのかを書いていきます。

あくまで経験則ですが、音作りの参考になると思います。

 

 

弦のゲージ(太さ)

そもそも「ゲージ」とは弦の太さのことです。

弦を買うとき、パッケージに数字がいくつか書いてありますが、あれは弦の太さを表しています。

一般的な4弦では、1弦から

45-65-85-105

くらいです。

弦の種類によって様々ですが、だいたいこの程度です。

数字が大きいほど弦が太くなります。

 

ゲージ(太さ)とテンション

「テンション」とは弦の張りの強さです。

テンションの強い弦は力が必要で弾きにくく、弱い弦は軽い力で弾けます。

このテンションは弦が太いほど強くなります。

同じ4弦でも108では固くて弾きにくく、95では緩くて弾きやすいです。

「1弦と4弦では、太い4弦の方がテンションが弱いのでは?」と思った方。

そもそもチューニングが違うので、単純に太さで比較はできません。

もし弦のテンションが強くて弾きにくい場合は、細い弦にするとテンションが下がり弾きやすくなります。

このように、弦のゲージはテンションに直結します。

 

弦のテンションと音

さて、テンションが変わると音はどう変化するのでしょうか?

同じ弦を比較した場合、テンションが強いほど音抜けが良くなります。

言い方を変えると、ローが締まります。

テンションが強いと、単純に弦の振動が小さくなります。

ゆるゆるな弦とビンビンに張った弦を想像すれば分かりますね。

また1弦から4弦に下がっていくほど、弦の振動が大きいですよね。

この時テンションは1弦から4弦にかけて低下していると思います。

テンションが強く弦の振動が小さいと余計な振動をしないため、音に芯ができます。

言い方を変えると、ローが減った感覚になります。

逆にテンションが弱く振動が大きいと、どうしてもボワついてしまいます。

つまりローが余分に出力されてしまいます。

例えば4弦の5Fと3弦の開放弦は同じ音ですが、4弦の5Fの方が音が太く感じますよね!

事実テンションは4弦の方が弱く、振動が大きいです。

このように、同じ音でも弦のテンションによって全然違う印象を受けます。

なんとなく太い弦の方がローが強くなりそうに思いますが、太くなる分だけテンションが強くなり、結果的にそこまでローが出なかったりするんです。

補足ですが、弦高を下げるとテンションも下がるため、結果的にローが増えてボワつきます。

テクニカルに特化したセッティングの人は、その分ローをカットする必要が出てきます。

また市販のベースは弦高が高くセッティングされているためテンションが強めですが、その分余計な振動が少なく音抜けが良く感じます。

テクニカルな人よりアン直の初心者の方がライブで良い音を出しがちなのは、このためでしょう。

テクニカルを求めるほどローが増えるので、上手くバランスを考えましょう。

ゲージを変えたり弦高を下げてテンションが弱くなったら,セッティングも見直しましょう!

この時単純にローを削るより,グライコで最低音の周波数のみカットするとよいでしょう。

テンション低下による余分なローは「音圧」に一番効いてる気がします。

そのためローミッドの120 Hzなどはカットしなくていいと思います。

ボワつきの原因である「音圧」をコントロールできる,最低音の周波数のみ調整してみましょう!

 

まとめ

・弦のゲージを下げるとテンションが弱くなる

低いゲージは弾きやすい

・テンションが下がるとローが増える(音抜けが悪くなる)

・テンションによって同じセッティングでも音色が変わる

 

ゆるゆるなセッティングになるほど弾きやすいのですが、余計なローが出てボワつきの原因になります。

バランスが難しいですね。

テクニカルベーシストであるVictor Wootenはかなり細い弦を使っていますが、低音が細いWarwickのベースを使用し、リアピックアップ付近でピッキングするため、ローがかなり抑えられています。

気になる人は一度弦を買ってみましょう!

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ごあいさつ

【セッティング公開!】エフェクターやベースの設定を完全解説!

機材紹介で触れなかったエフェクターやベースのセッティングを公開していきます。

まだエフェクターのことがよくわからない方や,音作りに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

 

エフェクターボードの概要

これが実際に使用しているボードです。

ベース界の三種の神器と言われる「マルコン,サンズ,B3」を使用しています。

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エフェクターは背面にマジックテープを貼り付け,ボードに固定しています。

また高さの調節のために薄いベニヤ板を貼り付けているものもあります。

丁寧に信号を追っていくと

ベース→チューナー→マルコン→サンズ→ZOOM B3→DIやアンプ

といった直列の繋ぎ方です。

アトリエのベースを使用する場合は,アクティブとして使用しマルコンとEQを常時オンにしています。

MULTI COMP

音の粒を揃えるコンプレッサーです。

基本どのベースでもこのセッティングです。

常時オンで使用しています。

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・GAIN:つまみは最小です。エフェクターはブースター以外,踏む前後で音量差がないセッティングにするのが基本です。僕の場合は0にしないと音量が上がってしまうので,このセッティングにしています。コンプらしい音がほしい人は適宜上げていいと思います。

・COMP/LIMIT:12時にしています。14時以降では「ザ・コンプ」というサウンドになるため,抑えています。まるまるスラップの場合は,上げたほうがキレのよいスラップサウンドを得られます。僕は常時オンのため,このセッティングで使用しています。

・MODE:TUBESIMにしています。真空管のような深みと音の太さが丁度いいです。

 

SANSAMP BASS DRIVER DI

「サンズ」と呼ばれる,アウトボード型のプリアンプ・歪みエフェクター・DIです。

最近はスラップ用のエフェクターとして使用しています。

またこのセッティングで,指弾き用に適度な歪みのある音を出すためのプリアンプとしても使用します。

他にもアジカンなどのピックでゴリゴリしたサウンドを出すとき,プリアンプとして使用します。

その時は適宜セッティングを変えますが,日常的に使うこのセッティングを載せました。

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ほぼフラットです。

スラップ用なのでTREBLE,PRESENCEを少し上げています。

BLENDは意外と低いよりは,12時程度まで上げたほうが音抜けが良くなる気がします。

アトリエ単体のスラップはパーカッシブで好きですが,サンズを踏むと歪みがかかり攻撃的なサウンドにできます。

RADの曲とかに合います。

こんなふうにアトリエサウンドのスラップ,サンズサウンドのスラップが使い分けられるので,曲の雰囲気に合わせて使い分けます。

パッシブタイプにはプリアンプとして使ったりします。

スラップソロとして使うなら,音量は少し上げるといいでしょう。

 

ZOOM B3

いろんなエフェクターやアンプシュミレーターを搭載したマルチエフェクターです。

Graphic EQ→Z-TRON→Squeak

の順に信号が進みます。

EQは常時オンで使用しています。

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ZOOM B3を使う上で注意してほしい点があります。

B3は最初からプリセットのパッチが入っており,空きのパッチがありません

自分の設定を保存するには,既存のパッチを上書き編集する必要があります。

新しいパッチを作るときは,消してもいいパッチを選んで編集しましょう。

もう一つは,パッチごとにエフェクトのミックス具合が調整できる点です!

つまり,どんなにエフェクターのエフェクトレベルを上げても,大元のパッチ自体のエフェクトレベルが低ければ,サウンドにエフェクトが反映されません!

最初の頃これに気づかず,あまりエフェクトがかからなかった思い出があります。

プリセットのパッチはものによって,30/100くらいに下げているものがあります。

そのパッチで編集した場合,エフェクトの効果はかなり低くなりますよね。

必ずパッチ自体のエフェクトバランスを確認しましょう!

上の方にあるTOTALを押すと,パッチ自体の音量やミックス具合を調整する画面になります。

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LEVELはとりあえず100で固定しています。

原音とエフェクト音のミックスバランスは,このパッチの場合は70にしています。

これは使うエフェクターやアンシュミによって設定を変えましょう。

100にするとエフェクト音のみになります。

B3をエフェクターのみとして使用するなら,100でいいと思います。

特に空間系のエフェクターはバランスが低いと,エフェクトのかかりが悪くなります。

アクティブベースはプリアンプが搭載されているので,EQやアンシュミを通すときにバランスを100にすると,アクティブ由来のサウンドが抑えられてしまいますね。

そのためあえて70程度まで下げています。

とにかく使うベースやエフェクターによってバランスはいろいろ試してみましょう。

このように,名前はアトリエ用に設定しています。

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続いて各エフェクターのセッティングを解説します。

Graphic EQ

周波数帯ごとに調整ができる,7バンドのパラメトリックイコライザーです。

常時オンにしています。

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EQセッティングの記事の通り,50 Hzをバッサリカット,120 Hzをブースト,10 kHzは少しだけ下げています。

このセッティングでは音抜けがよく,ビビリが抑えられた上にスラップはキレのよいサウンドをキープできます。

グラフィックイコライザーの場合は,「ロー」としてしか調整できないのでパライコの方が良いです。

こんなふうに50 Hzは下げて120 Hzを上げるのは,普通のプリアンプやアンプのイコライザーではできません。

Z-TRON

これはQ-TRONのシュミレートでしょう。エンベロープフィルター・オートワウです。

ソロやセッションで使います。

スラップにも合うので遊べます。

空間系エフェクターのため,入力信号のハイが強いとキンキンして不快な音になります。

アクティブベースはしっかり入力信号を抑えたり,ハイ成分を下げておきましょう。
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Senseは1くらいで丁度いいです。

これ以上はクセが強いので,このセッティングにしています。

またResoは適宜エフェクトの強さを変えましょう。

だいたい6-8くらいで変えています。

これくらいだと,指弾き・スラップで気持ちいいワウ音が得られます。

Squeak

これはギターで使われるProCo RATのシュミレートでしょう。

歪みエフェクターです。

エッジの効いた表に出てくる歪みです。

ソロやノイジーなサウンドがほしいときに使います。

サンズの歪みとは異なるので,曲によって使い分けましょう。

スリーフィンガーと相性がよく,低音がスッキリした歪みのため埋もれません。
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Toneはハイを抑えてアンサンブルになじませたい時に適宜下げましょう。

ベースソロの歪みとして使うときは,Toneを90にすると前に出てきます。

Levelは意外と120まで上げて丁度いいです。

あとはアンサンブルで聞こえてくるように調整しましょう。

ATELIER Z DAL-4

以上のセッティングに対して,ベースのセッティングを解説します。

外観はこんな感じです。

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見えにくいですが,スロープとフィンガーランプを取り付けています。

すべて手作りです。

スロープは角材を削りヤスリでなめからかにした後,黒のアクリル絵の具でコーティングしています。

フィンガーランプはダンボールを黒いビニールテープで巻いたものです。

各つまみ

他の記事でも書いたように,フロント・リアを7/10程度まで下げています。

トレブルはフラットですが,新しい弦にしたときは適宜トーンとして下げています。

ベースは軽くブーストしています。
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一方,下の画像は通常のフラットな状態です。

フロント・リアはフルテンだとこれくらいです。

ベースはフラットだとこの位置です。
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ネックの反り

写真でわかるか微妙ですが,このように軽い順反りです。

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弦高

ネックエンド付近の弦高です。

4弦は少し高くしています。
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ピックアップはこれくらいです。
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斜め上から見るとこんな感じ。
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最終フレット付近。
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ピックアップとの距離感。
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ブリッジはこれくらい。
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12フレット付近から見た。
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ネックの中間くらい。
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1フレット目はこれくらい低めに。
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こんな感じの弦高になっています。

まとめ

・クリーンサウンドはアクティブベースのイコライザーとEQのみ

・マルコンは音粒を揃える程度に

・サンズはスラップ用,歪み用にセッティング

・B3のパッチ自体のミックスバランスに注意

僕のベースサウンドは以上のセッティングにしています。

あとはライン録り用に,個別でアンシュミごとのパッチを作るのはいいと思います。

ライブハウスでもトラブルが起きにくいセッティングとして,アンシュミを使わない音作りとしました!

各エフェクターを買おうか迷っている方は,こんな感じで使用できるので参考にしてください。

ネックの反り具合や弦高など,あくまで一例なので自分の機材に合ったセッティングをしましょう。

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