今回はアンプのEQではなく、マルチエフェクターやボードに組み込んだEQのおススメセッティングを書いていきます!
ベースの音抜けが悪くて悩んでいる人は必見です。
僕はATELIER ZのDAL-4をメインで使用していますが、こいつはドンシャリでミドルが引っ込み抜けてきません。
普段はロックやポップスを弾くので、本当はミドルがしっかり出てベースラインがわかるような音作りがしたいんです。
ミドルの感じはスティングレイをイメージしてほしいです。
スティングレイの場合、ハイにクセがあってスラップする時など「いかにもスティングレイ」という音がします。
レッチリのフリーやホルモンの上ちゃんを思い浮かべてください。
しかし、僕は普通のジャズベのスラップ音をメインで出したいので、あくまでジャズベにこだわっています。
そんなわけでアクティブのジャズベを使いつつ、しっかりミドルが前に出るサウンドを目標にしています。
そもそもアクティブならイコライザーが付いてると思いますが僕のアトリエはベースとトレブルしかありません。
肝心のミドルはいじれないのでZOOM B3のEQでうまくミドルを出してやろうという考えです。
では実際のセッティングを公開します。
50 Hz
ここはいわゆるベースの音圧を司る周波数です。
僕はこれを「-10」にカットしています。
ポイントとして、スティングレイのサウンドは「60,70 Hz以下がバッサリカットされている」ことです。
弾いたことある人は分かると思いますが、スティングレイは超低音がほぼ出ておらず、音量を上げても変にボワつくことが一切ありません!
以前書いた記事の通り、音量を上げると低音も増大します。
結果的に60,70 Hz以下をカットしているスティングレイは、ライブくらいの音量でちょうどいい低音感を感じるのです。
さすがプレベ、ジャズベを作ったFenderの創始者レオ・フェンダーが最後に作ったベースモデル。
プレベ、ジャズベを作り、Fenderを去った後に新たなモデルとして誕生したのがスティングレイです。
順番的には一番優れたベースモデル、とも言える気がしますね。
長くなりましたが、ライブくらいの音量では50 Hzをバッサリカットしてもちょうどいい低音が出る、ということです。
逆に録音など直接ライン録りする場合はちょっと低音がヘボくなります。
適宜上げて調整しましょう。
120 Hz
ここはベースのブリブリ感を司る周波数です。
ここで注意点として、50 Hzをカットせずに120 Hzだけ上げるとブーミーなサウンドになり使えません!
ミドルをしっかり聞かせたい!と思って単純に120 Hzだけを上げても音は過剰出力なサウンドになってしまいます。
しかし50 Hzをバッサリカットしていると、上げてもブーミーにならず気持ちいいミドルが出てくれます。
過剰なローが出ずにバランス良く出力されます。
僕はこれを「+10」までブーストしています。
10あたりから急にローミッドが強調され始めるので,思い切って上げてみましょう。
4.5 kHz
ここはプレンズンスと呼ばれる領域で、スラップのギラギラ感とかビビりの金属音を司る周波数です。
僕はアトリエ本体のイコライザでトレブルはカットしません。
カットするとただ音がこもってしまいます。
しかしEQなら4.5 kHzだけを調整できます。
僕はこれを「-4」にカットしています。
こうするとアトリエ特有のドンシャリ感からくるビビりが抑えられ、それでいてスラップしても音がこもり過ぎないんです!
一つ下の1.5 kHzのところはカットせず、ここだけカットすると音がこもり過ぎずにビビり音が抑えられます。
ベース本体のセッティング
今回EQで細かくセッテングを書きましたが、そもそもの本体のセッティングを書かなければ意味がないので最後にまとめます。
フロント&リアピックアップ
ここは別の記事にも書いた通り、共に7/10程度に下げています。
こうするとアトリエ特有のクセの過剰な部分が抑えられて、僕にとってちょうどいい音になります。
ドンシャリが抑えられ、ミドルが出るイメージです。
トレブル
ここはカットせずフラットです。
ビビりなどトレブルをカットすれば解決しますが、トレブルとしてカットすると音がこもってしまいます。
そのため細かく周波数帯をいじれるEQで、4.5 kHzだけを下げました。
こうすることで不快な金属音の周波数だけを下げ、それ以下のハイ成分は残しているので音がこもりにくくなります。
ベース
これはDAL-4だとブーストのみのつまみです。
僕は2/10くらいブーストしています。
ライブやスタジオ練ではフラットでいいと思いますが、家でライン録りする場合は低音がヘボいのでブーストしています。
最近の音作りについて
最近はアンシュミではなくEQでほぼ音を作っています。
これはアクティブベースである(プリアンプが搭載されている)うえにアンシュミを挟むと、ライブ時にはステージのアンプ含めて3つもプリアンプを使っていることになります。
これは単にいじれるパラメーターを増やしてしまい、目的の音を作る障害にしかなりません。
ラインでアンシュミありきの音を作りこんでいた場合、スタジオやライブハウスではさらにアンプを通すため複雑になってしまいます。
そのためあえてアンシュミは使わずEQだけでライン音も作っています。
この音に慣れてる方がライブハウスの外音の調整がスピーディーにできます。
もちろんライン録りやレコーディングにはアンシュミを使っていいと思いますが、僕はライン録りとライブハウスの外音を別で作るのがだるいので、ライブハウスに合わせてアンシュミを使わない音作りをやってます。
補足ですが、通常レコーディングではアンプ通過後のライン音のみ使用するパターン(アンシュミ使用も含む)、マイクを立て拾った音もミックスするパターンがあります。
そのためライン録りではアンシュミを使うのがむしろ普通だと思います!
それかパッシブに切り替えてアンシュミを使うといいでしょう!
このアンプの音がいい、と考えているならアンシュミをぜひ使うべきです。
とはいえ本来アンプ通過前の音をPAに送るのは、アンプ通過後の音ではPAが音を調整しにくくなるからです。
クセの強いアンシュミを通した音をPAに送る場合、外音のアンサンブルが酷くなったりしますね。
なにしろ「外音ありきの音作り」をするべきですね!
アンシュミ使っても外音が良ければ、それがベストです。
ただ、リハでアンシュミのパラメーターをいじって外音が上手く出たとしても、ステージ上のアンプから出る音も上手く作らなくてはなりません。
アンシュミ通過後の音をまたアンプに送り込むことになるので、アンプの種類によっては全然上手くできないことが多いです(経験談)。
短いリハの間に完成させるには、アンプ重ねを避けた方が楽です!
アンプはEQ以外のパラメーターが多くて、なかなか大変ですよね。
だからこそアクティブベースなら、ライブではアンシュミを使わずEQだけの方が調整しやすいです!
またライブかどうかに関わらず、普段からアンシュミメインじゃない音作りにしておくと楽、という内容でした。
まとめ
・50 Hzはバッサリカットしてボワつきを抑制
・その分120 Hzをブーストし輪郭のあるローミッドを出力
・4.5 Hzを少しカットしビビリを軽減しつつこもらせない
・フロント、リアともに7/10でクセを低減
・アクティブベースならアンシュミを入れない方が楽
EQは今回説明した箇所以外はいじっていません(フラット)。
やはりアクティブベースなら、さらにプリアンプを導入するのではなく、あくまでEQのみいじる方が楽だと思います!
手元と足元、アンプなんてライブのたびにいじってられませんからね。
EQはいじる周波数帯の数で何パターンもありますから、根気よくいろいろ試してお気に入りのセッティングを見つけてみてください!
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こちらの記事にリンクを貼ってあるのでぜひ!