【弦高だけじゃない!】弾きやすいベースにするためのセッティングとは

以前の記事にもいくつか書きましたが、ベースの弾きやすさは値段と全く関係ありません。

そこで、どこがベースの弾きやすさに影響するのかお教えします。

特別な技術や高い器具は一切必要ありません!

リペアに高いお金を払っても、自分の想定していたセッティングに必ずしてくれるわけではありません。

そのため自分で細かく確認しつつ、いつでも望みのセッティングを実現できる方が良いですね!

初心者の方も恐れずに経験で覚えていきましょう。

 

弾きやすさはここで変わる

どこを調整すると弾きやすさに影響するのか、以下に列挙します。

・ネックの反り

・弦高

・ナットの深さ

・弦のゲージ

・弦とピックガードとの距離

・弦の巻数

・フレットがキレイかどうか

・弦の滑らかさ

それぞれについて簡単に説明していきます。

あくまで「どこを調整すればいいか」を分かってもらうための記事です!

細かい話を省いているので、この記事だけで安易に調整しないでください。

実際の細かい手順などは別で記事を書いていきます。

ネックの反り

初心者の方は見てもわからないと思いますが、ネックの反り具合は目視でわからないレベルでも弾きやすさを左右してしまうほど、シビアです

調整が少々面倒なため避ける人が非常に多いですが、ネック調整が最も重要です!!

またベースのセッティングを考える際、一番最初に調整する箇所です。

ネックの状態には3パターン存在します。

順反り

大半の人のネックは順反りです。

これはネックが弦方向へ弓のように反った状態です。

ネックが弦の張力によって起き上がってしまうのです。

順反りではハイポジションへ向かうほど弦高が高くなり、結果的に弦のテンションが高くなります

そのため順反りになるほど弾きにくくなります。

逆反り

これは順反りと逆で、弦と反対方向へ反った状態です。

弦の張力に反した方向を保つため、わざと調整しない限り逆反りになる人は少ないです。

逆反りではネックの先端がボディより下に位置することになります。

そのため弦はネックにベッタリ張り付いた状態になりますね。

そのため逆反りでは、ローポジションへ向かうほど音づまりやバズ音が発生します

弦は可能な限りネックに張り付いた状態となるため、必然的に弦高は低くなり、弦のテンションも下がります

非常に弾きやすくなりますが、音づまりやバズ音が酷くなります。

ねじれ

これはネックを見る方向によって反り方が違う状態です。

低音弦側と高音弦側の張力の差を考えれば、偏ったセッティング次第ではネックがねじれることもあります。

保存状態が酷かったり、あまりにも安い木材でなければ基本的にならないと思います。

偏ったセッティングをする人は知りませんが…

以上を踏まえると、ネックは真っ平らに近いギリギリ順反り程度が好ましいですね。

そうすれば音づまり、バズ音を究極に抑えつつ、弦高やテンションを最も下げることができます。

結果的に弾きやすいベースになります!

弦高

これは調整が簡単な上に、手っ取り早く弾きやすくなるため、最も多くの人が調整する箇所です。

もはや「ここしかいじらない(いじったことがない)」人がほとんどでしょう。

たしかに弦高を下げれば弾きやすくなりますが。

弦のテンションを緩めることができるし、押弦する距離も縮まります

しかし、これには「ネックが正常である」必要があります

前述の通りネックがやたら順反り、逆反りであれば弦高をいじっても他のどこかが弾きにくくなります。

そのため弦高はネックを調整した後にするべきです!

そしてネックの調整に続いて2番目に調整する箇所です。

ナット

こいつが最も意外なはず。

そもそも名前すら聞いたことない人が大半でしょうね(笑)

ここです。

「こんな所いじるわけないよな!?」と思うかも知れませんが、このナットを調整するのは必須です!

こいつも以前の記事で述べたように、本来より弾きにくくされております。

「ナットを調整する」なんて全然聞いたことないかと思います。

やってる人はかなり少ないだろうし、実際やらなくても困らない人がほとんどでしょう。

ナット調整は主に「弦のテンション(押弦のしやすさ)」と「弦高の最低値」に効いてきます

僕はここを適切に削ってから、ありえないほど弾きやすくなりました!!

ナットを適切な高さまで削って下げると、単純に弦と指板の距離が縮まります

イメージとしてはブリッジのもう一方ですね。

ブリッジ調整で弦高をいじる人が大半ですが、じゃあ反対側のナットはなぜ調整しないのか?と思いますよ。

ナットを調整すると「弦のテンションが低下」し、指板と近くなるため「押弦が楽」になります。

ローポジション、特に1フレット目を押さえる時はナットからそんなに離れていないため弦の自重によるたわみもないので、押さえるのにけっこうな力を必要とします。

そんなローポジションが特に押さえやすくなります!

ナットは「0フレット目」とよく言われますね。

そのため理想は「他のフレットと同じ高さであるべき」です。

とはいえナットをそこまで削るとテンション低下によって、解放弦でもビビってしまいます。

なのでナットは少し高めに設定します。

ネック、弦高を調整しておおよそ理想的なセッティングになった後、ナットで最終調整します。(3番目)

最初にナットを調整しようとすると削り過ぎてしまう可能性があるので、必ずネックと弦高を調整した後に行いましょう!

弦のゲージ

ベース本体の調整が片付いたので、次は弦の選択です。

もし太いゲージの弦を使っていれば、当然弦のテンションが高くなりますし、弾きにくく感じるでしょう。

そのため一度「これは緩すぎる」と感じるゲージまで下げてみましょう!

自分のベース、プレイスタイルではどの程度のゲージがベストなのか見つけましょう。

こればっかりは個人によるため、時間はかかりますが色々試しましょう!

以前使用機材として弦の紹介もしたので、参考にしてください。

弦とピックガードとの距離

これはスラップの、プルのしやすさに影響します

プルは人差し指や中指を弦の下に潜らせ、引っ張ることで音を出しますよね。

サムをした後プルする場合、サム後にはプルするための指先って弦の下に潜り込ませてピックガードに触れていると思います。

思いっきり指を握り込んでいたら、弦とピックガードの隙間に指を入れられないはずです。

この時、ピックガードに触れる程度に握り込んだ指は開いていると思います。

さて、「弦を引っ張る」といっても弦をボディに対して垂直方向に引っ張る人はいません。

腕ごと大きく動かすことになりますね。

そうではなくサムとプルは「手首の回転」で行います。

サム後に手のひらを返す動作中、指に弦を引っ掛けていきます。

この時弦とピックガードの間が離れ過ぎていると、手首を返していっても指が弦に到達するまでかなりの角度手首を起き上がらせなくてはいけません

こうなるとスムーズにプルができません。

弦とピックガードの隙間が狭いほど、ちょっと手首を返すだけで弦が引っかかるので、大きな動作をせずともプルができます。

こうしてサムとプルのコンビネーションが速くなります。

結果的にリズムが安定、速いフレーズも弾けるようになります。

この距離はベースの型番によって違います。

同じメーカーでも種類によってもともと距離が狭いものもあります。

僕が最初に手にしたエアロダインは通常のフェンダーJBより、この距離が狭いのでスラップがしやすかった印象です。

弦の巻数

これはさほど影響がありませんが、巻数が増えるほど弦のテンションが高くなります

よく一般的に言われるのは巻数は「三回」です。

一回程度だと見た目的にもかっこ悪いので、三回くらい巻くとよいでしょう。

巻数によって弦の振動の仕方も変わるらしいので、しっかり巻いて弦を安定させる方がよさそうです。

弦のテンションが緩い人はしっかり三回は巻くように弦交換時には気を付けましょう。

フレットがキレイかどうか

フレットは弾いていなくてもどんどん錆びていきます。

錆びると色がくすむのは当然、弦振動の際フレットと触れるときに振動の邪魔をしてしまいます

弦交換のたびにキレイに磨き上げておくと、余計なひっかかりがなくチョーキングが滑らかになり、スラップの金属音もキレイに出ます

見た目が美しいだけでなく、押弦のしやすさや余計なバズ音が削減できるので必ず弦交換時にはフレットを磨きましょう。

弦の滑らかさ

エリクサーなどのコーティング弦や、フィンガーイースを吹きかけることで弦のさわりが滑らかになります。

有名なテクニカル系のベーシストであるIKUO氏はコーティング弦(エリクサー)を使用し、ボードの中にフィンガーイースを入れて携帯しています。

ロータリーなど高速でプルをする際、指が引っかからないことはかなりのメリットになります

また弦は使用し続けると必ず皮脂が溜まり、グリスなどフレット移動の際に指が引っかかりやすくなりますので、コーティング弦やフィンガーイースを使用すると改善されます。

またフィンガーイースは弦の劣化を抑える?らしいので、定期的に吹きかけることをお勧めします!

 

いかがでしたか?

ベースが弾きにくくて困っている人で、すべてをカバーしている人はいないのではないでしょうか。

今回僕が一番やってもらいたいのは「ナット調整」です!

こいつの影響力は絶大です。

実際の調整方法はまた記事にしますので、ぜひご覧ください!

楽器・音響機器・舞台照明 サウンドハウス

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こちらの記事にリンクを貼ってあるのでぜひ!

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